目隠しマーケティングという需要開拓

セグメンテーション(顧客分類)やポジショニング(競合との差別化)は、マーケティングの基本ですが、これらはもはや古典と化しています。いま最も注目されているのは、インフルエンサーをいかに食いつかせるか、でしょう。

インフルエンサーとは、直訳すると「影響力のある人」ということで、旅ブロガーはもちろん業界関係者で情報の受発信に積極的な人たちがあてはまります。当然、そうした人たちは旅慣れているわけで、旅行先の決め方や動機はその他大勢とは異なると考えられます。

倦怠感(マンネリ)に陥っている彼らを刺激し、印象的な体験をしてもらうことで、SNS等を通して情報が拡散されていく、といった手順を踏まなければ、これからの時代市場シェアを広げていくことは難しいのです。

どこかへマイル

倦怠感を解消する手法のひとつとして面白いのが、去年JALが発表した「どこかへマイル」というサービスです。通常は国内の特典航空券の交換に必要なマイル数12000マイル〜を半分以下の6000マイルで交換できる代わり、当日空港に着くまで行き先が分からないというものです。

▼詳細はこち
http://xn--u9jwf3g0b279u8x3f.com/jal-dokokani-mail

経済的・日程的に余裕はあるし、旅行は好きだけどきっかけが無い、という人たちが旅行を見送ってしまうことによる機会損失を回収することができるサービスです。また、航空会社としても、普段利用の少ない路線を利用してもらうことができるので、需要の分散につなげることができます。

なんだか、画期的なビジネスモデルなようで、どこかありがちな感じもする、このモヤモヤした感じ、なんでしょう・・・?

 

 

そう、福袋です!

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なにが当たるかわからないけど、なんか欲しいという需要側と、売れ残ってて困ってるものを詰め合わせて捌いてしまいたい供給側のマッチングは、昔からあるんですね。ただ、ちょっとしたITのシステムが足りなかっただけで。

ジャケ買いならぬ、コピー買い

同じような手法として最近話題なのが、TSUTAYAのキャンペーン「敢えて見ないという借り方」です。DVDの作品名やジャケットを隠してしまい、店員が考えたオススメポイントのみを判断材料にして選ぶというもの。

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▼詳しくはこち
http://yurunew.com/omoshiro/5469/

福袋型ビジネスに、付加価値を与えたユニークなビジネスモデルだと思います。SEO対策されていないInstagramなどの生情報や、偶然の出会いを重視するミレニアル世代の存在感が強くなってきていることの現れなのかもしれません。

とくに、京都のようにリピーターが多く、需要の域内分散が課題になっているような地域において、この「目隠しマーケティング」は新たな可能性を秘めていると思います。

まぁ、この手の旅行商品は、すでに「ミステリーツアー」といったジャンルで各社が展開してはいるのですが、着地側でも商品開発していくようなことが、DMOとしてできれば面白いですね。

JTB「ミステリーツアー」
http://www.jtb.co.jp/med/kansai/domestic/mystery/

クラブツーリズム「ミステリーツアー特集」
http://www.club-t.com/special/japan/mystery/index12.htm?rd=area

京都観光の実力(ネットプロモータースコア)

DMOのアイデンティティのひとつは目標管理なので、成果指標の設定が義務付けられています。観光地としての実力を測るためにも、これをどのように設定するかが重要です。基本的には、観光庁が国の政策目標として採用している観光客数や消費額に準じることになりますが、いくつか問題があります。

  1. DMOの事業以外に、指標に影響する要素が多すぎる
    為替レートや、発地側の所得水準に大きく左右されますし、民間事業者の活動もDMOが関係していたりしていなかったりで、非常に複雑です。本当に、自分たちが努力したことによって得られた部分が見える指標でなければ、意味なしです。
  2. 大胆な推計が伴うので、例外値を捕捉できていない
    もの凄い大富豪が観光に来ていても、年に数日しかない調査日に彼がたまたまアンケートに答えてくれるシチュエーションが無ければ、指標には反映されません。年末年始の帰省も含まれていません。
    また、回答者側が、自分の旅行経験を思い出しながら回答しなければならないという点においても、データの信憑性には限界があります。
  3. 静的なデータなので、作成する側の都合が良いように誘導されがち
    Twitterや株式市場みたいなリアルタイムにオープンされている動的データ(フローデータ)ではないので、タイムラグが発生したり、公表する前に誰かしらの意図が介在してしまいます。

こういった問題を乗り越えるためには、様々なITサービスを駆使しなければならないのですが、予算や技術力に限界があるなかで妥協点を見出していかなければなりません。とはいえ、分からないからといって、指標を乱立させることだけは避けなければなりません。なぜなら、指標が増えるだけ解釈の余地が増え、簡単に言い逃れできるようになってしまうからです。

ネットプロモータースコア

現状、着地側の指標として攻守最強と言われているのが、ネットプロモータースコアです。事業の成功との相関が強く、なおかつ現状のデータから簡単に算出することができます。概要は以下のとおりです。

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NPSの良いところは、ネガティブな顧客にも目を向けているところです。安易に平均値を出すようなことはせず、データの分布を考慮した算出方法になっています。

ただし、ネットプロモータースコアも万能ではなく、いくつか批判があるので留意しておきましょう。

ソシオメディア「NPSは役に立たない? よくある5つの批判を検証」

京都の観光の実力

幸い、京都市は観光統計が整備されているので、これを使ってNPSを出してみました。京都市が満足度調査を始めたのは2011年からなので、2011年以降の5年間の推移を日本人と外国人に分けてグラフ化しています。

なお、ネットプロモータースコアは11段階評価をもとにした集計が推奨されていますが、京都市の統計は7段階評価です。そこで、算出にあたっては最高評価(7段階目)を推奨者、1~5段階目を批判者としています。

また、京都市は市民生活実感調査を実施しており、観光についての設問が2012年から作られています。NPSは、他人への推奨度を利用したロイヤリティ指標ですが、ここでは市民生活と観光の両立が市民のロイヤリティに繋がると考え、以下の2項目を採用しました。

  • 京都市民は、観光客を温かく迎えるなど、京都の観光振興に協力的である
  • 京都は、市民にとってくらしやすい観光都市である

これらは5段階評価なので、(NPS)=(5段階目)ー(1~3段階目)としています。

日本人旅行者、外国人旅行者ともに、2012年に底を打って上昇傾向となっています。旅行者の急増への対応が追いついていなかったと解釈するべきでしょうか?日本人は2011年の水準を回復していないので、やはり混雑への不満が影響していると考えられます。

市民の観光に対する協力意向は少しずつ改善してきているのが分かります。一方で、市民の生活と観光の両立についてはうまくいっていないようです。意識とは裏腹に、実態としては不満を感じてしまっているので、旅行者の満足度とのバランスをどのあたりで保つかを考えなければなりませんね。

旅で幸せを感じられる人は、何が違うのか

ブッキングドットコム社が、旅行の前後における幸福度についての大規模調査結果を発表しました。

  1. 平均的に最も幸せを感じるタイミングは「旅行初日」
    他の選択肢に比べて広い概念なので、必然的に回答率が上がっているような気がするので、「目的地に着いた瞬間」が一番だと考えるのがよいでしょう。当然といえば当然。
  2. 旅行の準備中や移動中よりも、予約している時(計画段階)のほうが幸福度が高い
    これも、予約サイトの存在意義を主張するための理屈で、別に新たな示唆があるわけではないですね。

https://news.booking.com/e3808ce69785e8a18ce381abe5afbee38199e3828be3838fe38394e3838de382b9e3808de38292e38396e38383e382ade383b3e382b0e383bbe38389e38383e38388e382b3e383a0e3818ce5a4a7e8aabfe69fbb

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調査結果から考えるべきこと

  • 「旅行先としての評価」と「個別の幸福度」との関係
    いくら実態を正確に把握できる調査をしたところで、この先何に手を付ければ旅行先としての評価が改善するのかが分からなければ、それはただの自己満足調査でしかありません。幸福度の低い部分を底上げすれば良いのか?
    幸福度の高い部分を充実させれば良いのか?
    全体的にレベルアップを図らなければならないのか?

    幸福度(満足度)が変化する要因は、「あると嬉しいこと」と「無いと困ること」に分けて考えるのがセオリーです(ハーズバーグの二要因理論)。どちらが大事とは一概に言い切れませんが、既に旅行先全体としての幸福度が高い場合は「あると嬉しいこと」を増やしていくほうが効果的でしょう。逆に、幸福度が低い場合は「無いと困ること」が満たされていない可能性が高いので、さきに対策を講じるべきでしょう。たとえば、下表のような感じで分類してみて、観光地としての実力と顧客のニーズを照らし合わせながら、優先順位を決めていくことになります。

      想定内 想定外
    ポジティブ 旅行先の情報が豊富
    SNSなどで話題になっている
    価格帯などの選択肢が多い
    ご飯がおいしい
    年中無休
    無料サービスが多い
    人気の宿がたまたま空いてる
    割安価格で予約できる
    写真よりもキレイ
    新たな出会い
    ガイドの能力が高い
    期間限定のイベント
    確率の低い自然現象に遭遇
    ネガティブ 価格が高い
    WiFiが使えない
    言葉が通じない
    トイレが無い
    ゴミを捨てる場所が無い
    交通手段が不便
    チェックイン時間が不便
    営業時間外・休業日だった
    予約が取れていない
    混雑がひどい
    仲間とはぐれる
    雨が降ると退屈
    盗難・紛失にあう
    警察沙汰に巻き込まれる

    基本的には、ミーハーな客も含めて大勢呼び込むためには弱点の底上げ、多少の不便は気にせず乗り越えてくるコアな客を確保するためには長所を伸ばすということになります。なぜなら、一度ファンになった人は自分の選択が間違っているという情報を受け入れたがらず(認知的不協和理論という)、多少の欠点は無視してくれるからです。

  • 事前にしっかり調べる人ほど幸せな旅ができる
    さきほどのグラフからだけでは読み取れませんが、元記事によると、「予約手続きを楽しむことと、実際の旅行でハッピーでいられることには、大きな相関関係がある」と書かれています。逆にいうと、準備段階から入念に計画をたてることができる人ほど、旅行自体をしっかりと楽しむことができる、ということですね。しっかり調べるということは、旅行で損をしたくないという気持ちの現れでもありますね(認知的不協和理論)。さきほどの話と合わせると、自分にとってどこまでが想定内で、どこからが想定外かの基準を持っておくことが大事なのかもしれません。

旅行計画が重視されるようになるためには

旅行者が計画に割くことができる時間的な余裕や、成功体験があるかどうかはもちろんですが、観光地側としてはちゃんと調べてきてくれるファンを優遇するような取組が必要になってくるでしょう。そして、そのファンのノウハウが他の旅行者にも共有されていくような仕組みがあれば、いい循環が生まれてくるんじゃないかと思います。

すでに、Tripadvisorや4Travelみたいな口コミサイトがその役割を担っている面はありますが、全てのニーズを満たせるほど万能なプラットフォームになっているとはいえないとも思います。

そこで、DMOとしてやってみると面白そうなのが、旅行プランニングコンテストです。アイディア自体は古典的かもしれませんが、テーマを尖らせたり、おしゃれな広報をして若者の注目を集めてみたり、採点基準にゲーム性を持たせてみたり、DMOならでは取組として改めてチャレンジしてみると面白いんじゃないかと思います。なんなら、旅行会社の造成担当者間で競ってもらうようなイベントにしてみても面白いかもしれないですね。

去年は転職をして事業環境や生活環境を準備することに力を割いたので、今年は成果が残る年にしたいと思います。

【HTML不要】DMOみたいな中小企業でもポータルサイトを持てる方法【基本無料】

DMOはだいたい地域の観光協会が担うことが多く、そのほとんどは従業員数10名程度の中小零細団体です。そういった組織ではIT関係に明るい職員を雇う余裕はなく、地元のイケてないリース・メンテナンス会社の言いなりになって、いまどき中高生でもできるようなことに対して安くないお金を払っています。

しかし、DMOはデータに基づいた経営を標榜しなければならないことになっているので、なんでもかんでも紙に印刷してハンコで決裁とるような仕事の仕方からは脱却しなければなりません。

最近は、サイボウズ社とかが安く(年間1人あたり1万円くらい)でグループウェアを提供しているので、それを導入するのが無難ではあります。あいにく、その費用も捻出できないなら、なんとか無償サービスを駆使して必要な機能を満たすしかありません。今回は、その方法について書いていきたいと思います。

Google Suite

Googleが提供している統合サービスに、Google Suite(旧Google Apps for Work)というのがあります。といっても、その内容は、Gmail, Googleカレンダー, Google Drive, ハングアウトなど、誰でもプライベートで使ったことがあるようなツールをまとめたものです。

決定的な違いは、ビジネスでも利用できるようにセキュリティが保障されていたり、会社専用のドメインでメールアドレスが取得できたりするところにあります。

https://gsuite.google.co.jp/

14日間は無料ですが、そのあとは一人毎月500円です。それでもサイボウズよりは安い。ただし、機能に少し違いがあるので注意です。

比較項目 Google Suite サイボウズ ガルーン
価格 500円 845円
メール
スケジューラ
会議室予約  
モバイル対応
ポータル・掲示板
決裁処理 +315円で拡張可能
保存容量 30GB/アカウント 4GB
ファイル同時編集  
在席確認  
出退勤打刻 +100円で拡張可能
日本語電話サポート 24時間年中無休 月~金
9:00~12:00
13:00~17:30

ということで、Googleのほうがカスタマイズ性が高く、サイボウズはフルサービスって感じです。ただ、保存容量が約10倍くらい異なるので、画像や動画ファイルを大量に取り扱うような場合には、Googleに優位性があります。また、ワードやエクセルファイルをGoogle Drive上で同時編集できる神機能は、本当に便利です。(知らない方は、以下の動画をご覧ください)

なお、Google Suiteでは会議室予約と在席確認ができません。ただ、あえて表に✕をいれなかったのには理由があります。

まず、会議室予約は、スケジューラをうまく使えばできないことはありません。会議室専用のカレンダーグループを作っておき、会議室を使う際のスケジュール登録に利用すればよいのです。そもそもオフィス内に会議室を持っているDMOがどれくらい存在するのか怪しいですが笑

在席確認についても、スケジューラである程度判断すればよいと思いますが、どうしても必要なのであれば、別の無料サービスを使えば済むことです。irucaはリモートワーク(テレワーク)を導入している企業などに簡単に在席・離席のステータスを管理できる仕組みを提供します。

https://iruca.co/

ということで、Google Suiteでもだいたいの機能はカバーできていることはお分かりいただけたと思います(肝心のポータル・掲示板機能については後述します)。

Google for Nonprofits の活用

さて、この記事のタイトルにさりげなく【基本無料】と書いてます。でも、Google Suiteは安いとは言え有償版のサービスです。なぜ、無料と書いたのか。それは、利用者によっては無料で利用できるチャンスがあるからです。

Googleでは、社会貢献の一環として非営利組織に対して自社の製品を提供するGoogle for Nonprofitsという活動を行っています。DMOの法人格は、公益社団法人や公益財団法人であることが多いので、非営利組織として認定される可能性が高いです(ただし、公益法人は収益事業も行うことができるので、非営利とは限りません)。

この仕組みを使うことで、Google Suiteを1年間無償で利用することができます。それ以外にも、Adwordsによるリスティング広告(検索したときに強制的に上位に結果を表示させる広告機能)が年間10,000ドル分無償で利用できたりもします。

Google以外にも、非営利団体向けのサービスを行っている企業はたくさんあります。ご関心ある方は、以下から探してみてください。

https://www.techsoupjapan.org/

もちろん、セキュリティに関してそこまで厳しくない、という組織であれば、無料版で押し通すということも可能ではあります。

ポータルサイトの作り方

では、いよいよポータルサイトの作り方です。まず、Google Siteという簡単にWEBサイトを作れるアプリを利用します(Suiteと似ててややこしい笑)。

https://sites.google.com/

画面左側の作成ボタンを押すと、「以前のGoogle サイトを利用」と「新しいGoogleサイトを利用」と聞かれるので、「以前のGoogle サイトを利用」を選んでください。新しいほうは、直感的な操作性が重視されていますが、そのかわり使える機能が絞られてしまっているので、現時点では使い勝手が悪いです。

つぎに、テンプレートを選ぶ画面が表示されるので、「ギャラリーでさらに検索する」を選択し、検索ボックスに「ポータル」と打ち込んでみてください。僕が作成したテンプレートが出てきます。

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あとは、サイトの名前をつけて作成ボタンを押すだけです。そうすると、こんな感じの画面になります。一部のウィジェットは、Googleのアカウントでログインしないと見れるようにならないはずなので、画面表示にしたがって処理していってください。

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あとは、自分好みにカスタマイズしていくだけです。画面右上の鉛筆ボタンを押すと、画面中央のウィジェットが編集できるようになります。冒頭の説明文を書き換えたり、レイアウトを入れ替えたり、埋め込みたいタグを変えたり、カレンダーの設定をいじったり、いろいろ試してみてください。(解説が必要なら、この記事のコメント欄に連絡ください)

ちなみに、掲示板はGoogleグループというアプリで社員のアドレスをグルーピングし、作成したグループのURLを埋め込んでやれば良いだけです。詳しくは、以下のサイトをご参照ください。

http://blog.free-style-solution.com/oyakudachi/google-sites-bbs

 

あと、画面左側のサイドバーや、画面上のナビゲーションタブをいじりたい場合は、画面右上の歯車ボタンを押し、「サイトのレイアウトを編集」を選択してください。ここから先も、いろいろ試してみれば分かるので、細かく解説はしません。(そのためにテンプレートを作りました)

だいたいこれだけの機能があれば、無料とは思えないポータルサイトを構築することができます。あとは、毎朝とりあえず開くサイトということで、職員のみなさんに利用してもらえるように促すだけです。何百万何千万という投資をしなくても、ITシロウトでも、これくらいのことができるようになったんだから、本当に世の中便利になったと思います。

まだ、僕もこのサイトを運用する段階にまでは至っていませんが、来年はなんとか定着させたいと思っています。これを読んだ全国のDMO、非営利法人の関係者にもうまく活用していただけたら嬉しいです。

Wantedlyに学ぶDMOの本質的な課題

いま、最もアツい就職支援サービス「Wantedly」のCEO仲(なか)さんのお話を聞いたので、そこから思ったこと。

Wantedlyなビジネスモデル

Wantedlyが従来のサービスと異なるのは、提供している価値の源泉が口コミによって成り立っているところです(本人談)。

初期の就職支援サービスは、求人情報をひとつのWEBサイトに集約し、広告で求職者を呼び込むことでマッチングを成立させていました。その結果、情報量が増え、利用者のニーズも多様化するようになると、検索エンジンの性能がモノを言うようになります。

しかし、検索機能にも大差が無くなり、オススメの検索結果にうんざりし始める人が出てくるようになったことで、本当に信頼できる情報は信頼できる人から仕入れる、需要者同士のネットワークを重視するという、共感型のビジネスモデルに注目が集まっています。

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これは、就職支援サービスだけでなく、旅行業界にもだいたい当てはまります。旅行代理店による窓口店舗型(JTB等)に始まり、オンライン化(るるぶ等)、広告モデル化(じゃらん等)、本格的なOTA(Expedia等)、これらを比較検索するメタサーチモデル(trivago等)と進化し、口コミ型(Tripadvisor等)に行き着いていると言えるでしょう。

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少数精鋭 vs 雇用維持

こうした共感型のビジネスモデルを生み出すためには、ビジョンの明確さと、それを実現するITスキルが重要です。逆にいうと、それ以外は優先されないともいえます。なので、能力が足りない人が切り捨てられることは否定されません。というか、事業の立ち上げのためには無駄を減らさざるを得ない(もともと資本主義はそういうもの。草の根的なボランティア活動よりも、得られた収益を慈善活動に寄付するほうが早い、とも、仲さんは主張していました。)

一方で、「雇用を維持することも企業による社会貢献のひとつ」という伝統的な主張があります。日本の会社が正社員を解雇しないのは、いまだにこの根強い考え方が背景にあり、労働基準法によって労働者が守られているためで、理屈として間違っているわけではありません。(仲さんは「擬似的社会主義」と表現していました)

しかし、能力に見合った仕事や、成長できる環境を提供できていないのであれば、むしろ社会に歪みをもたらしたり、労働者の可能性を奪ったりしているという見方もできます。そして、これが当てはまるケースは、世の中のニーズが多様化し人工知能に奪われる仕事が増えるに連れて増えていくと考えられます。なので、Wantedlyのようなビジネスモデルが支配する世の中はそう遠くない未来に訪れるでしょう。

DMOの組織矛盾と対策

上記の話自体は、別にWantedlyに限ったことではなく、もはや一般論といってもいいと思います。ここであえてこの話を取り上げたのは、地元の観光協会が担うことが多く公務員的な組織風土であるDMOが、マーケティングやプロモーションなどの尖った人材を雇用することに難しさを感じているからです。

これこそが、いまDMOの課題の本質だといってもいいと思います。現時点で、これに対する明確な答えを持ち合わせているわけではないのですが、とりあえず今僕が意識していること(すぐにできそうなこと)は、

  • ビジョンを掲げること
    観光庁ガイドラインは目標設定ばかりが強調されているけど、その前提となるビジョンをどう作るかが重要
  • 経理処理・予算編成などのマニュアル整備
    マーケティング本来の顧客データ分析よりも、まずは内部データの分析をしないと、マーケティングにどれくらい投資できるかがわからないので

です。

マーケティングするためには、マーケティング以外のことから始めないといけないのがもどかしいですが、それがほとんどのDMO候補法人が直面している現実であり、それはそれでやりがいのある仕事だと思います。そして、これを乗り越えることで、専門人材が地方の既存組織のなかでも活躍できる環境を作っていきたいなぁと思います。

人気の紅葉情報サイトTOP10/今年の京都の紅葉まとめ

みなさん、今年は紅葉狩りに出かけられましたでしょうか。去年に比べて今年の紅葉は美しかったようですが、例年より少し見頃の訪れが早かったようです。京都観光の再繁忙期である11月は宿を確保するだけでも大変なので、紅葉のタイミングに合わせる余裕なんて無いかもしれませんが、どうせなら真っ赤に染まった木々を眺めたいものだと思います。

紅葉の色づきに関する情報は様々なカタチで発信されていますが、みんな何を利用してるんだろう?ということで「ミルトーク」を使って聞いてみました!

 あえて調べない人が、そこそこいる

【お題】
京都の紅葉を見に行くとき、事前に色付き具合は確認しますか?
具体的なサイト名等も教えてください。(100サンプル 択一集計)

https://milltalk.jp/boards/15636

いろんな回答がありましたが、ざっくり3つに分けてみました。奇を衒った回答サンプルも多いのかもしれませんが、あえて調べないという人が25%というのは意外に多いという印象です。

休暇取得や宿泊予約の都合で、調べたところで結果は変わらないと諦めている人がいる一方で、時の運に身を任せることも自然を楽しむことの一環としてとらえている人もいらっしゃるようで、日本人らしさを感じます。

「地名+紅葉」で検索

調べる人たちの半数程度は、ネットで「地名+紅葉」と検索するみたいで、よく利用するWEBサイトがあるわけではないようです。したがって、SEO対策が非常に重要であるといえます。では、「京都 紅葉」で調べるとどんなサイトがヒットするか確認してみましょう。

以下は12/19時点で「京都 紅葉」とGoogle検索した結果、上位に表示された順番に掲載しています。

1.京都観光Navi「紅葉だより」

京都市のオフィシャルサイトですね。エリア別に名所が整理されており、連絡先、例年の見頃、今年の状況が一覧になっています。ユーザーインターフェースとしてはイマイチですが、少ないコストで最低限の情報を揃えているといったところでしょうか。

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2.RETRIP「京都おすすめ紅葉名所ランキングTOP15」

出ました、世に憚るRETRIP。やはり何を基準にしたランキングなのか分かりませんが、すでに100万PVを突破しています(今日時点では、検索表示1位になっていました)。ただ、この記事は紅葉の状況ではなく、名所を探すための情報なので、今回のテーマからは逸れますね。

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 3.そうだ京都、行こう。「京都紅葉情報」

JR東海の特設ページです。デザインが優れているわけではありませんが、強力な顧客基盤を持っているためサイト利用者が多く、上位に表示されるものと思われます。自社のツアー商品と組み合わせた検索プログラムがあるのも強みでしょう。

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4.ウォーカープラス「紅葉名所2016」

関西ウォーカーのWEB版です。各スポットにタグが付けられていて、ニーズにあった条件で絞り込むことが出来ます。後から検索条件をいじれる拡張性の高いデータベースなので、来年以降さらに手直しをすることが見据えられているようで、好印象です。ミルトークのアンケート結果のなかでも利用者がいました。

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 5.京都新聞「京都滋賀の紅葉情報」

色づき状況の一覧性が高いです。動画コンテンツも揃っていてクオリティが高いです。新聞社が作っているとは思えない。地元の新聞社ということで、他地域の人はスルーしてしまっているかもしれません。

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6.ジョルダン「京都府の紅葉名所」

乗換検索で有名なジョルダンも紅葉情報を作っています。ここは、口コミでレーティングされているのが特徴です(あまり投稿数は多くないようですが・・・)見頃順と、人気順の2種類だけにソート機能を限定しているのは分かりやすくて良いです。

 

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7.Qnews「京都紅葉見頃情報」

個人のブログのようです。写真がなくビジュアルは劣っていますが、文字情報量が多いのでGoogleアルゴリズムに高く評価してもらっているようです。じっくり読みたい人にはオススメ。

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8.yahoo JAPAN「京都府の紅葉名所」

紅葉の状況が地図に落とされていてとても便利です。全国の紅葉名所をひとつのデータベースにまとめているので、京都特有の情報には弱いようです。京都市内全ての紅葉スポットを網羅しているわけでもないので、初心者向けといえそうです。ミルトークのアンケート結果のなかでも利用者がいました。

 

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 9.Findy「紅葉がオススメな名所14選」

これもキュレーションメディアです。某社のFindTripと似た名前なので、いかにもですね。広告スペースも多いです。とか思って書いてるあいだに、なぜかアクセスできなくなってしまいました笑(トラフィックが混んでるだけかも)

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注)白い部分が多いのは広告を隠しているからです

 

10.るるぶ.com「全国おすすめ紅葉名所2016」

視覚的に分かりやすく整理されていて、yahooと同じく地図表示にも対応しています。ただし、こちらも全国対応なので網羅性が低いのと、画面読み込みに時間がかかってしまいます。

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このあたりのポータルサイトやキュレーションサイトが利用されているということですが、各メディアが各地の紅葉情報を掲載しているので、社会全体で無駄なコストが発生することになります。それぞれの良いところを組み合わせて1サイトに統合して、あとはリンク貼ればいいのに・・・笑

それはさておき、これだけのサイトがあるなかで、どのサイトにも足りない機能が一つあります。それは・・・

京都の紅葉スケジュール

現時点だけでなく、いつから色づきはじめて、いつ見頃が終わるのかという紅葉スケジュール全体を把握できる機能です。もちろん、将来の予測はそう簡単ではないにしても、過去どうだったかを整理することは簡単なはずです。なのに、どのサイトもそういった形式では情報を出していないようです。

そこで、京都観光Naviの「紅葉だより」の履歴を整理してスケジュール表にしてみました。表内の数値の意味は以下のとおりです。実際の「紅葉だより」では、「三分~五分」のように幅を持って記載されている場合がありましたが、その場合は中央値(端数切り上げ)を採用しています。また、盛りが来たあとに、九分に戻っているような場合は、戻らずに盛りのままとしています。

1:青葉
2:色づき始め
3:一分
4:二分
5:三分
6:四分
7:五分
8:六分
9:七分
10:八分
11:九分
12:盛り(十分)
13:盛りすぎ
14:見頃終了

元データ(紅葉だより2016.csv)

 

かなり粗いデータではありますが、名所によって色づきのタイミングや持続期間が異なることがよくわかります。神護寺醍醐寺は早め、下鴨神社や城南宮は遅めとなっています。混雑を予想して、数ヶ月前から旅行を企画する人がいる以上、このように固定的な情報を出しておくことは重要です。

その他の情報収集方法

WEB以外では、やはり口コミが強く、京都住民に直接問い合わせるという人が何人かいました。その京都住民が紅葉の状況をしっかり把握できているケースは少ないように思われますが、この場合は正しい情報かどうかよりも連絡すること自体が目的化している可能性が高いので問題にはならないのでしょう。

WEB関係だと、寺や宿泊施設のホームページを直接調べる人、天気予報のWEBサイトやアプリを利用する人が見受けられました。天気予報は習慣的に見る人が多いので、SEO対策しなくてもユーザーを集めることができるということなのでしょう。

あとは、最近注目されてきているTwitterInstagramを用いたリアルタイム検索です。これらのSNSGoogle検索と違ってSEO対策が施されていないため、謎のキュレーションメディアや、ステルスなゴリ押しに騙されることなく、生の情報を見比べることができます。これらを駆使して旅行を計画することも、また旅の醍醐味といえそうです。

今後は、VRや360度画像などの技術が発達して、ますます即座に臨場感のある映像で現地の状況を確認できる手段が整ってくると期待されます。一方で、運に任せることに価値を見出す人も間違いなく存在します。京都のブランディングを考える上では、後者のように無常観や趣きを大事にする人が報われるような観光地づくりをしていく必要があるでしょう。

北陸新幹線の行方

連日、北陸新幹線のルート決定が新聞記事を賑わせていますね。あんまり斬新なアイディアは浮かばないのですが、多少なりとも触れざるを得ないので、備忘録がてら書いておこうと思います。

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新幹線の整備効果

新幹線のような公共性の高い事業といえども、基本的には「採算がとれること」がもっとも重要です。LCCを空港に誘致するために、発着料を減免している自治体がありますが、もともとニーズの無い市場を歪めるようなことは、社会全体の非効率を招きます。したがって、JR西日本が主張した小浜ルートは、費用対効果が良く(様々な試算がありますが)合理的だといえるでしょう。

さて、合理性を判断するために、そもそもの新幹線の整備効果について整理しておきたいと思います。整備効果は、おおむね以下の6つに整理することができます。これらは、効果をダブルカウントすることがないよう、経済理論的に検証されてきた結果、まとめられたものです。
参照)国土交通省整備新幹線の整備効果等に関する参考資料

  1. 時間短縮効果

    従来の交通機関よりも移動時間が短縮されることで、移動中だとできなかった仕事ができるようになる、という理屈で計算されます。(本来1時間働けば1000円稼げる人であれば、1時間早く移動できることで1000円得する)

    最近は、新幹線のなかでも普段と同じレベルで仕事できるようになってきたので、必ずしもこの理屈が当てはまらなくなってきています。これまで飛行機で移動していた人が、新幹線で移動できるようになれば、仕事ができる時間は増えるという考え方もできるかもしれません。

    北陸新幹線の場合は、主な比較対象が在来線(特急サンダーバード)なので、車内での労働生産性は大して変わらないでしょうから、単純に時間が短くなったことに比例して効果を推定する考え方でも、歪みは生じないということで良いと思います。

  2. 観光消費の増加(交流人口の増加・滞在時間の延長)

    北陸新幹線が金沢まで開通したことで、金沢の観光客が大幅に増えたと話題になりました。開通したことの話題性を理由に訪れる人、その話題を聞きつけ訪れる人、所要時間が減ったから遊びに行けるようになった人など、様々な要因で観光客は増えます。

    また、移動時間が短くなった分だけ滞在できる時間は長くなるので、夕食をしてから帰れるようになったりして、観光消費額が増えることにも繋がります。

    ただし、逆に地元住民が域外へ旅行しやすくもなるため、富が流出する可能性もあります。これをストロー効果と呼びますが、こうしたネガティブな影響はルート選定時点では考慮されていないことが多いです。

  3. 沿線開発

    駅ができたり観光客が増えることで、駐車場の整備など様々な建設需要が発生し、経済活動が活性化されます。

  4. 環境負荷の削減

    自動車で移動する場合と比べて、二酸化炭素の排出が少なくなることを評価するものです。二酸化炭素の排出が少なくなることをどのように評価するかは議論の余地がありますが、アンケートで「環境改善に何円分の価値があると思いますか」と聞いた結果をもとに、数値をはじき出すような方法(仮想評価法)があります。

  5. 交通事故の減少

    新幹線はこれまで死亡事故を起こしたことがありません。自動車や在来線の踏切事故などと比較して、失われる人命や復旧コストなどが減ることを評価します。人の命は値段が付けられないとはいいますが、例えば平均生涯賃金などで換算することは可能です。

  6. 災害時のリスク分散

    一番評価が難しいのが、災害時に迂回路として機能することの評価です。専門用語では、冗長性(リダンダンシー)と呼びます。何年か前に新東名高速道路ができましたが、あれは旧東名高速道路津波等の災害で通行止めになっても、移動できるようにという目的もあって作られたものです。

    北陸新幹線も、東海道新幹線が長期間通行止めになった際の迂回路としての機能が期待されます(かなり遠回りなので効果は限定的かもしれませんし、リニアが出来てしまえばお役御免)。

これらの効果のなかでもっともシンプルで計算がしやすく、金額も大きいのは「時間短縮効果」です。なので、最短・最速ルートである「小浜ルート」という選択は合理的、という経営判断がしやすいのです。

細かい数字を知りたい人は、コチラをご参考ください。
参考)福井県整備効果:北陸新幹線

JRは災害リスク評価をしてくれるわけではない

災害時に交通ネットワークが分断されてしまうことの損害が、JRの経営判断に与える影響は少ないと考えられます。思いつく理由としては、以下のとおり。

  • 確率の予測が難しい
  • 迂回路として利用されるような緊急事態にあっては、いずれにしても売上は大幅に減少することが予想されてしまう
  • 東海道新幹線が不通になってもJR東海が困るだけで、JR西日本には影響が少ない

なので、災害による損害が回避されることで、平常通りの経済活動を続けられる効果の評価は国が積極的に行い、JRの採算ベースによる判断に偏りすぎないようにしなければなりません。こういう場面でこそ、住民の税負担の合意をとりつける政治の役割が期待されるわけですが、我田引鉄が横行しているのが現実です。

新幹線ネットワークの弱点は新大阪

北陸新幹線は、京都駅を通ったあと、東海道新幹線と並走して新大阪駅終着となるようです。学研都市を通って、天王寺駅終着とする南回りルートも提案されていましたが、これは採算が合わないため不採用となるようです。(これもやはり、JRの主張が支配的)

そうなると、新大阪駅東海道新幹線山陽新幹線北陸新幹線リニア中央新幹線と、4つの新幹線のターミナルとなります。交通結節点を集中させると、利便性は高まり経済効率は良くなります。このように、とりあえず新大阪に集めてから、各地へつなげるようなネットワークのことをハブ&スポークと呼びます。航空業界では当たり前ですね。

しかし、そのハブとなる新大阪駅が災害で使えなくなったら、4つの新幹線が同時に分断されることとなってしまいます。実際、新大阪駅のあるエリアは津波浸水被害の可能性もあるようです。まぁ、そんな状態になったら、輸送手段は自動車や空輸に切り替わるとは思いますが。

関空直結ルートという妄想

最早、新大阪終着という決定は覆らないとは思いますが、仮に災害時の影響をうまく分散することを重要視するのであれば、南周りルートを採用したうえで天王寺からさらに延伸して関空直結が面白いのではないかと思います。

まだリニア中央新幹線がどこを通るのか確定していませんが、もし学研都市周辺に駅ができるのであれば、北陸新幹線と接続することができます。リニアが学研都市に停車する頻度はかなり少ないとは思いますが、災害時には学研都市をターミナルにして運用することが可能になります。

どうしても、大阪北部や山陽方面へ移動したい場合は、京都駅で乗り換えればよいでしょう。実際、北陸から山陽へ移動する場合は、新大阪駅よりも京都駅のほうが乗り換えが楽です。とりあえず大阪に行きたいということであれば、天王寺やなんば到着でも利便性はあまり変わらないでしょう。

そして、なんといっても、関空への高速アクセスが実現することが魅力的です。近鉄や南海などのルートが重なる事業者にとっては堪ったものではないでしょうが、空港が遠い京都に住む人間にとっては重要です。

それ以上に、外国人観光客に大して大きな影響を与えることになります。彼らは新幹線乗り放題のレールパスを利用することが多いので、空港から直接、京都や北陸など日本全国に短時間で訪れることができるようになります。まぁ、あえて大阪で乗り換えを発生させることで、滞在消費を促すという狙いもあるかもしれませんが。

整備するための費用は莫大になるかもしれませんが、防災や観光の観点から大きな画を描いてくれれば良かったのになぁとは思います。舞鶴ルートだとか、リニアを京都へ、とか主張するよりも、北陸新幹線関空につなげて欲しかった・・・笑。

 

どこをどう通るにしても、こんな交通ネットワークが実現するのはまだ何十年も先の話かと思うと、気が遠くなります。その頃には、テレビ電話や仮想現実が当たり前になっていて、移動するという概念も変わっているかもしれませんが。今日はこのへんで。