どうすれば,生活文化としての和装(着物)を継承していけるか

今日は,「学生が考えるこれからの京都観光」@京大へ行ってきました。

なぜ行ったのか

この手のパネルディスカッションって,パネラーの頭の回転がよっぽど早かったり,慣れてる人だったりじゃないと,だいたい議論がかみ合わなくて良くわからないままに終わってしまうことが多いので,正直あんまり好きではありません。

それでも参加したのは,専門家とか起業家ではなく,学生にとっての京都観光の捉え方を考える機会を持ちたかったからです。とういうのも,京都は10人に1人が学生といわれるほど学生が多い街で,学生は京都観光にとって非常に重要な顧客セグメントのひとつなんです。

全国から集まる学生が在学中に京都観光を経験することで,卒業後も京都に対する愛着を持ってくれるというアドバンテージが京都にはあります。ただ,それを政策的にうまく推進できているかというとまだまだです。なので,このシンポジウムを通して学生の好みを把握して,これから取り組もうと思っている顧客像の設計の参考にしようと思ったのです。

和装文化の継承

ディスカッションのテーマは2つあったんですが,1つ目は「和装文化の継承」でした。以下は,主な意見とそれに対する僕の感想。

  • 着物は普段使いが不便。洋服との融合を。
    →まぁ,ありきたり

  • 日本人は重ね着をするの好きで,着物と相性がよいということの自覚を促す。
    洋服との着合わせの提案があれば,面白いのかも

  • 浴衣を持っている女子は多い。なぜなら夏には浴衣向けのイベントがあるから。
    →レンタル,着付サービスもセットにすることを前提に,和装ドレスコードの冬イベントがあっても良さそう。でも,浴衣より着付に時間がかかるので大勢を動員するイベントには不向きか。

  • 外国人や若者にとって,着物は非日常体験。特別なイベントがあるときに着るもの。非日常をきっかけにしないと,なかなか難しい。
    →本質的な指摘。若者にとっての非日常なイベント(成人式や結婚式などは当然として)とは何なのかを考え,それにあった提案をするのが有効。

  • お端折りは明治時代にできたもの。伝統であったも,当代に合わせて変化は必要。原型を留めつつも,保温性の高い生地や,形状記憶などの技術革新によって,ブレイクスルーが起こるかも。

  • 現代は,着物で生活しにくい空間が多くなってしまった。着物だけの問題ではなく,インフラなどの環境もセットで考える必要がある。
    →そのとおりですね。着物特区でも作りますか。

  • 着物を着ると,周りから注目されるようになったり,必ず自分の生活に変化がもたらされる。その良さを伝えられるかどうか。
    なぜ変化を必要とするのかを考えて,そのシチュエーションに合わせた着物の活用を提案していかないといけないですね。

 

最後の点がほぼ答えなんだと思います。残念なことに,この意見は学生ではなく,お題を出した側でした笑。ほんとは,変化を必要とする理由として何があるのかついて深掘りの議論してほしかったんですが,そういう流れにまではたどり着けないのがパネルディスカッションの限界・・・笑

とはいえ,これからの観光について考えるときのネタにはなりそうです。

 

さて,2つ目のお題は日本酒についてでしたが,もう眠いので今日はここまで。
おやすみなさい。