京都観光の人気検索キーワードと,検索されるWEBサイトについて調べてみた

マーケティングとプロモーションを連動させたWEBサイトを作るためには,閲覧者の好みに対応できるように,十分なコンテンツを用意しておく必要があります。コンテンツの数が少なく,ジャンルの多様性が少ないままだと,どうしてもジャストフィットしないケースが増えてしまうからです。

とはいえ,記事や動画などのコンテンツを作るのも安くはありません。なるべく少ない数で勝負せざるをえないのであれば,その記事を読みたいと思ってサイトを訪れる人を増やす(意図せず読まされるケースを減らす)のが,セオリーでしょう。つまり,基本中の基本であるSEO対策(検索されたときに上位に表示されるようにすること)をやりましょう,ということです。

2017年の京都旅行に関する月別検索ボリューム

さっそく,Google Trendsで調べてみました。旅行ジャンルにおいて,「京都」というワードに組み合わせて検索されたキーワードについての検索量のランキングです。データの精度が粗いので,正確な数値ではありませんが,傾向をつかむだけという気持ちで見てください。

「観光」「ホテル」「バス」「新幹線」「天気」が,1年を通してパワーワードとなっているようです。11月前後は,やはり「紅葉」に関する検索が非常に多くなっています。「ランチ」や「お土産」が,その次に有力なキーワードとなっているようです。

あとは,東京や大阪といった都市名との組み合わせや,個別の観光地名が目立ちますね。「大阪 から 京都」とか「東京 から 京都」みたいなキーワードの入れ方している人が結構多いのは意外でした。

概ね「どこを観るか」「どうやって移動するか」「なにを食べるか」「なにを買うか」「どこに泊まるか」に答えられれば良いのかな,という印象です。

これだけだと「調べてみた」というタイトルの割には中身がないので,主なキーワードごとに,HITするWEBサイトについて確認してみたいと思います。なお各サイトのPV数は,VALUES社のeMark+という無料サービスを使って推定しました。

 

「京都 観光」で検索したときの上位サイト

さきほど挙げた5つの要素で調べればよいということですら,まだ頭の中で整理されていない状態の人が利用するキーワードであり,このキーワードで検索したあとに閲覧するサイトのレイアウトが与える影響はかなり大きいと考えられます。

1位:オフィシャルサイト 京都観光Navi(年間約2,800万PV)

ドメインが自治体の独自ドメインということもあって,TOPにヒットしています。このサイトを最初に踏む人が多いはずなので,やはりこのサイトをしっかりと作り込むことで,旅行者の頭の中にきちんとレールを敷いてあげられるかどうかが大事です。

2位:ぐるたび 京都府の観光・旅行ガイド(年間約2,161万PV)

ぐるなびが運営しているサイトです。京都市ではなく京都府という単位ですが,シンプルにまとまっていて,記事コンテンツも更新されています。体験サービスの予約にも対応しています。PV数は京都府以外も含めた値なので,京都観光Naviに比べると小規模だと思われます。Google検索エンジンが評価している割にPVが少ないのは,ニュースアプリと連携していなかったり,写真の使い方が控えめなレイアウトになっているせいじゃないかと思います。

2018年 京都で絶対外せない!おすすめ観光スポット&ランキング│観光・旅行ガイド - ぐるたび

3位:じゃらん 京都の観光スポットランキング(年間約33億9,200万PV)

ご存知,国内最大の旅行サイト(PV数はもちろん,京都以外のページも含まれてしまっているので参考値です)。

主観的なランキング記事が多いなかで,こちらのサイトは機械的なスコアリングでランキングが表示されています。ランキング機能としては最強だと思います。最近は記事コンテンツのほうが流行っているので,各スポットのランキングよりも,モデルルートのランキングとかあったらもっと面白いのにな,と思ったり。

余談ですが,ユーザー登録して,このサイトで旅行計画とかしたり使いこなせばもっと面白いんやろうけど,じゃらんを使うと何となく囲い込まれてしまって,最近流行りのホステルとかが選択肢から外れてしまうんじゃないかという気がしてしまいます。肝心の口コミ機能も,じゃらんで予約した宿にまつわる旅行じゃないとうまく利用できないっぽいのがもったいない。

なにはともあれ,このサイトとうまく連携するか,もしくはこのサイトに足りない機能を,観光Naviに持たせることを考えていこうと思います。

「京都 ホテル」で検索したときの上位サイト

まず,「じゃらん」「booking.com」「楽天トラベル」「agoda」「Expedia」が広告を打っていて,上位に表示されます。検索するたびに,表示される順位は変わるようです。

その下に,Google自身が,地図上に宿泊価格を表示して検索できる画面を掲載しています。とくに,普段利用するサイトを決めていない人は,Googleでそのまま検索する人が多いでしょうか。

最近,メタサーチサイトの「TRIVAGO」がTVCMを流しまくっていますが,Googleも料金比較できるようになってるってこと,どれくらい知られてるんでしょうか。一応,Googleでは「じゃらん」の料金が対象になっていないようなので,TRIVAGOのほうがカバー率が高いという点で優位性はありそうです。絞込条件などのユーザーインターフェイスも,TRIVAGOのほうに軍配が上がります。ただし,TRIVAGOはGoogle MAPs利用しているので,多かれ少なかれGoogleにも利益が発生します(やっぱりGoogleは凄い)。

ホテル検索サービス市場の競争は熾烈を極めているようなので,オフィシャルサイトにおける宿泊施設情報の発信は,よくよく考えないといけなさそうです。たとえば,ホテル検索サイトには出てこない,宿泊以外の要素との組み合わせであったり,従業員の顔が見えるカタチでの記事コンテンツだったり。

「京都 バス」で検索したときの上位サイト

1位:京都バス株式会社(年間約346万PV)

意外と,バス会社のホームページがTOPに。しかも,市バスではなくて京都バス。2位も,京都バスの時刻表。

京都バス株式会社

3位:歩くまち京都 バス・鉄道の達人(年間約786万PV)

京都市内に特化したオフィシャル路線検索サービス。渋滞状況を加味した検索ができたり,そこそこいい機能を持っているのに,市民にすらいまいち認知されていません。

なんせ,ユーザビリティの悪さもさることながら,ネーミングセンスが絶望的にひどい。もう少し,路線検索サービスであることが分かるような名前にしたり,短く愛称っぽい感じにしたほうが良いんじゃないかと思います。

画面の大部分を占めるスライド写真が,何の役割も果たしていないのももったいない。せめて路線図でも載せておけばよいのに。と,いろいろ不満が浮かんできても,所管が異なるので口出ししにくいという縦割り行政の弊害に阻まれます。

でも機能はよいので,このサイトをうまく活用して旅行した場合の記事を作ったりしたら面白いかな,と考えています。

「京都 ランチ」で検索したときの上位サイト

まずは,Googleが現在地周辺のランチスポットを表示してくれます。

1位:風情溢れる町屋ランチ20選 | キナリノ

キュレーションサイト大手のキナリノがトップ。町屋にフォーカスしているのが高評価のポイントでしょうか。

2位:京都のランチ 昼の人気ランキング|食べログ

続いて,データベース系のサイト,食べログ。「京都 観光」のときと同じで,読み物系の次に,データベース系のサイトが表示されるようです。

[食べログ]京都のランチ 昼の人気ランキング

3位:京都・河原町でおすすめの安くて美味しいランチ12選 | icotto[イコット]

またまた,読み物系サイト。河原町エリアに絞っているのが,上位に表示される原因なのかも。

個人的には,4位に表示されるRettyが,レビューがしっかりしているので一番好きです。

「京都 土産」で検索したときの上位サイト

1位:絶対喜ばれる!京都人気お土産30選&地元民ランキング|じゃらん

じゃらんには珍しく,読み物系コンテンツがTOPに。スイーツ以外のお土産も出ているのが特徴。地元民に対するWEBアンケートがベースになっているのが面白い。

2位:京都駅で買える素敵な「京都のお土産」9選|キナリノ

つぎはキナリノ。帰る直前に京都駅で買えるお土産特集。さっきの町屋ランチといい,キナリノは少しフォーカス絞った記事にするところに特徴があるみたいです。あと,内容と関係ないけど,ページが複数に分かれてないので,次のページを読み込むストレスがなくていいですね。その分,ダウンロード回線が遅い人は,1ページ目を読み込むのに時間がかかるのかもしれませんが。

3位:リピート必須のスイーツ&お菓子14選|icotto

読み物系3連続。ここまで来ると,無難な感じです。

「絶対,京都でしか変えないお土産!」とか,「食べ物以外のお土産10選!」とかあれば面白いのにね。

まとめ

途中で面倒くさくなってきて,最後の方雑になってしまいましたが,まさにこういう無数にあるメディアの記事をメタ分析した記事をオフィシャルサイトに載せれば,民間サイトと機能重複せずに,観光客にとってのゲートウェイ的なWEBサイトにできるんじゃないかと思います。

本来そういう作業は,Google検索エンジンアルゴリズムが自動的にやってくれているんでしょうけど,ユーザーにとってはブラックボックスになってしまっていて,それが却って不信感を招いてしまうこともあると思います。

そこで,あえて各サイトに対する評価を記事にして集めることで,まずはそれを見てからお気に入りのサイトで調べよう,と思ってくれる人が増えれば,業界全体にとってプラスに働くんじゃないでしょうか。