CT Planalyzerが凄い件(ツーリズムEXPO2017の感想③)

Google MapsとかNAVITIMEとか,ルート検索には事欠かない世の中になって久しくなりました.でも,旅行するときのルートは,短くて早ければいいわけではないというのが難しいところ.

ガイドブックを見て自分で計画を立てたり,あえて何も決めず迷ってみたりすることも,旅行の醍醐味だったりするので,これを考慮したルート案内機能の開発は,かなり奥が深いです.

そんな大きな課題に,以前から首都大と東大の先生がチャレンジしていて,数年前のツーリズムEXPOから「CT Planner」というアプリケーションを発表されていました.利用できるエリアは有名な観光地に限られますが,目的や気分に合わせてルートを提案してくれる優れものです.

このシステムの特徴は,実際の検索結果や移動データをもとにルートを推薦しているわけではなく,各観光スポットに「自然」「アート」といったパラメータを与えておき,検索条件に適した組み合わせを計算して導き出しているという点です.つまり,GPSとかでデータを集めなくても,頑張って観光地に関するデータを入力していけば,どの地域でも作れるはず,ということです.

一般の旅行者にとってはややマニアックな感じもするので,どちらかというと旅行企画担当者や,旅行雑誌編集者なんかに利用してもらうことを想定しているようです.ぜひ,みなさんも遊んでみてください.

 

CT Plannerの裏情報

そして今回のツーリズムEXPOでは,これの詳細版である「CT Planalyzer」が発表されていました.CT Planalyzerでは,推奨ルート以外のルートも表示され,観光スポットごとの関係性の強さなども確認することができます.まさに,CT Plannerの結果を分析するためのツールです.

データをダウンロードして分析するのは研究者くらいでしょうけど,ルートのおすすめ度合いによって色の濃さが変わって表示されるのが分かりやすくて,インターフェースとしては優秀だな,と思います.

 

f:id:horiet0322:20171004122023j:plain



こういう見せ方をすることで「そこまで有名じゃないけど,ちょっと逸れればこういう観光スポットもあるのか」ということに気づくことができます.混雑を避けて,自分だけの観光ルートを作りたいという方には,ぜひ使いこなしてみて欲しいです.