これからは事業者側の統計データ

国の統計をはじめとして、旅行者側のデータは色々と出てくるようになりましたが、事業者側のデータは平成24年度の観光地域経済調査以外に目ぼしいものが無い状況です。そんななか少し前ですが、京都市による調査がプレスリリースされました。

国慶節期間中の免税店の売上状況及び消費喚起に向けた新たな取組等について」
http://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/page/0000207760.html

 

「爆買いの減速」が指摘されるなか、京都ではまだ持ちこたえている、という結果のようです。これから、地域や事業者によって明暗が別れ始めると言ってもいいと思います。

マーケティングの基本はCustomer Relationship Managment(店が客を管理する)と言われてきましたが、最近はVender Relationship Management(客が店を管理する)時代が来ると言われています。これは、消費者がスマホを持つようになったり、Googleなどのツールの発達したりすることで、供給者との情報格差が解消されてきているためです。

今回のようなシンジケート調査は、事業者間の状況共有の意味合いが強いですが、これを発展させていけばVRMにつながって行くんじゃないかと思います。ただでさえ京都は中小規模の事業者が多く、経営情報をオープンにしないところが多いです。だからこそ、足並みを揃えて情報を整備していくことで、新たな集客や投資を呼び込むことができる余地が多いはずです。

旅行者行動の分析は切り口が多すぎて明快な答えを出すのが難しいですが、事業者側の情報を整備するのは比較的イージーというのも、僕がこうした調査に注目する理由のひとつでもあります。最近Destination Management Organizationの議論が盛んになってきていますが、DMOにしかできないことってこういうはたらきなんじゃないかと思います。